ネトゲ婚活人の日常

藤森泰彦33歳独身会社員は、婚活のためにオンラインRPG「BLUESTONE」(以下BSと略する)に登録した。
選択したジョブは魔術師。
いわゆる支援系魔法を使う後衛職ではなく、氷系の魔法を用いてモンスターを狩る攻撃系魔術師だ。
それから1ヶ月かけて泰彦はキャラを育成し、今ではLv300台前半の中堅プレイヤーになっていた。
BSにはレベルカンスト(当該ゲームのレベル上限に達すること)という概念は存在しない。
一応レベル上限は1000以上とされているが、廃課金トッププレイヤーであってもそこまで到達した者はいない。
泰彦が常駐しているサーバーではトップクラスユーザーのレベルはだいたい750ぐらいだそうだ。
そして一通り遊びつくした廃課金者は「転生」というシステムを利用するそうだ。
転生というのはキャラのステータスを保持したままレベルを1にするシステムのことだ。
キャラのステータスを保持したまま初心者用狩り場を利用することができるため、俗に言う「俺TUEEE」(「俺強えぇぇ」と自分の強さを誇示すること)状態を楽しめるシステムらしい。
まぁ新規ユーザーの泰彦には関係のない話しであるが。
ソロ狩りを中心にしているため、レベルが上がる速度はお世辞にも早いとはいえないものの、単調な狩りの間にいわゆるゲーム友達もできた。
彼らの多くは同年代男性らしく、やはり泰彦と同じように仲間を求めてBSに入ったようだ。
そして少数ながら同年代女性ユーザーもいるようだ。
長い間ゲームしていると、キャラの向こうにいるユーザーの性別と年代はだいたい想像が付くようになっていた。
友達同士のパーティー狩りをすることもあるし、自分や友達のクエストを手伝ったり手伝ってもらったりすることも多い。
彼ら相手に私生活の少々込み入った話もすることもある。
BSにはPKシステムはない。
今まで遊んだ戦争ゲームと違ってPKシステムのないBSを正直侮っていたが、泰彦はこうしたまったりゲームも悪くないと感じていた。
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